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2007年4月10日 (火)

静岡家族問題研究会2007年4月例会

静岡家族問題研究会の4月例会は次の通り行われました:
 テーマ:家族の絆をつくる家
 報告者:外山知徳氏(元・静岡大学教授)
 日 時:2007年4月14日(土)
     17:00〜21:00
 会 場:B-nest小会議室
   ◇
 3月に定年退職した報告者の最終講義ということで、会員以外の一般の方にも参加を呼びかけて行われた。
プロフィル
 大学で建築学を学んだ後、大学院に進学して一級建築士、そして建築設計方法論と記号論の研究により工学博士号を取得、研究室があった東京大学生産技術研究所の助手にそのまま就き、ドイツ、アメリカの留学を経て静岡大学教育学部に助教授として赴任。静岡大学に来て間もなく静岡家族問題研究会に顔を出したのがきっかけで、登校拒否と住まいの関係の研究をすることになる。この研究がもとでPTAや教育委員会から子育て講座、教育講話を頼まれるようになり、1991年からは家庭裁判所の家事調停委員も務めることにもなった。
理 論
1.家族空間病理学
 「家族空間」という用語は家族問題研究会の中で生まれた、「家族の人間関係を含んだ生活空間」のことである。住まい方を含む住空間のあり方は、家族の人間関係についての情報の媒体としてはたらく。つまり住空間の病理はそこに住む家族関係の病理と対をなし、そこに住む家族成員の精神病理に反映される。それが顕在化したのが登校拒否であり、家庭内暴力であり、時には高齢者の自殺や離婚でさえも、その一つである場合もある。
病理が分かればその治癒のための処方も当然分かるはずである。人は誰しも変わることは難しい。しかし住まい方なら比較的容易に変えることができる。住まい方が変われば家族の人間関係が変わり、結果として学校に行けるようになったり、離婚や自殺を思いとどまることにもなる。
2.テリトリー形成力の発達モデル
 テリトリーを自分で確保できない子が登校拒否に陥る。そこで私は登校拒否児の行動や、主にわが子の成長の観察をもとに、テリトリー形成力の発達モデルを構築した。このモデルをもってすれば、子ども部屋の与え方はもとより、なぜ登校拒否になるのか、登校拒否にしない子育てとは?、若年離婚はなぜ起きるのか、といったことが明らかになる。
 また、例えば登校拒否児を住まい方を変えることによって登校できるようにするにはどうすれば良いのかといったことについては、記号論の適用が有効となる。つまり住空間や住まい方を記号とし、家族の人間関係をその記号の対象とし、登校拒否を解釈志向とする記号過程を見出し、住まい方の何がどういう情報を媒介してその登校拒否が生じているのかを明らかにすれば、それを打ち消す情報を伝える住まい方がすなわち登校拒否解消の処方となる。
家族問題の現状をどうとらえるか
 テリトリー形成力の発達モデルに従えば、現代社会の少子化とIT化、さらにはネット社会が今日の家族問題の底流にあるといわざるを得ない。子育て、不登校、児童虐待、DVなど、制度や組織の手に余る現実を前にして今われわれがすべきことは、具体的、事例的な活動なのではないか。
[参 照:外山知徳『家族の絆をつくる家—失敗しない住まいづくりのための30講』(平凡社、2007.3.16刊)]
討 論
・住まい方の病理は家族関係の病理の記号すなわち「表れ」であるという関係について。
・結婚や家族に求められるテリトリーの「核」の意味をめぐって。
・テリトリーとしての居場所について。
・テリトリー形成力の発達から見た理想的な家族空間のポイントについて。

参加者:会員10名—石光和雅・大嶋千鶴子・小川裕子・外山知徳・永井鉄朗・山脇貞司・奈良修三・冬木春子・渡辺浩子・渡邉保博;一般参加者6名—小川正光・河西恵理子・河西滋・長島聡子・久岡雄介・深澤章子

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静岡家族問題研究会2007年2・3月例会

静岡家族問題研究会の2・3月例会は次の通り行われた:
 テーマ:望まれる家族関係
 報告者:佐々木光郎氏(静岡英和学院大学)
 日 時:2007年3月17日(土)
     17:00〜21:00
 会 場:ペガサート 静岡産学交流センター
   ◇
はじめに
 本報告は、静岡県東部地区の高校の家庭科教師の研修会で講義した要旨(2006.2)に基づく。高校家庭科の授業で「家族」を扱う。出席者からは「生きた親子間題を聴けた」との感想があった。
 私は30年間余にわたって家庭裁判所調査官として離婚や少年非行の問題と向き合ってきた。今回は家族の中でも特に親子関係について述べる。
1 家庭環境の影響
 一般に、多問題を抱えた少年の場合、保護者の監護能力は弱い。親自身が失業や疾病のため経済的にも破綻していたり、父母間の不仲などの問題を抱えている。このような環境の中で、子どもは常に落ち着かない。ある児童自立支援施設で暮らす子どもの6割のものが虐待を受けている。非行と子ども虐待との相関関係は高い。
 養育者から温かい愛情を受け安心感(基本的な信頼関係)が充たされた子どもは自分を大事にするばかりか他者の存在も尊重する。
2 親の態度と生活史
 フォーマルな面接で、わが子を「ちやん」づけで呼ぶ親が増えた。公私の境界があいまいになった。「自子主義」の行き過ぎがみられる。「自分の子どもさえよければよい」という狭隘な考えで、みんなのルールを守るという意識が狭くなった。
 他方、「教育熱心」な親の病理も見られる。幼少期から早期教育に奔走している。「成績さえよければよい」という考えのもとで、子どもは「できなければ見放される」という不安感と、常に「いい子」でいなければならない緊張感を強いられている。抑圧された心は思春期になって思わぬ問題行動(非行、とじこもり等)としてあらわれる。
 幼児期における子どもたち同士の喜びや自然との触れあう体験が減っている。学童期のギャングエイジはほとんど見られない。思春期になっても「悩まない子どもたち」が増し、大人(親や教師)の庇護に安住し反抗期がない。「親の言うとおりのほうが楽だ」というのでは自我が育たない。
3 食育の大切さ
 家庭科のテーマである。問題行動をおこした中高校生の場合、偏った食事や朝食の欠食、家族と食事を避ける「孤食」が見られる。家族がいっしょの食事の時間でのコミュニケーションを大切にしたい。栄養素のバランスのとれたものや季節感のある食材は心を豊かにする。
4 望まれる親子関係
 「理想の家族・親子」は存在しない。みんな悩みや困難を抱えている。だから家族である。
 家庭では、親の苦手なところも出して屈託のない親子関係が良い。親が社会と熱心に向きあい、生き生きとしているのが最大の家庭教育である。長い目でわが子の成長を見守りたい。困ったときにだれかの力を借りられることも能力である。子どもが育つのに最も必要な力は「表現力」である。

発言
・本報告は、家庭科の教員が子どもの成長について考えるきっかけとなったと思う。
・保育園でも朝食をとらないで登園する子どもが見られる。親の嗜好が子どもに影響している。食育は保護者も取り込んで進める必要がある。
・保育園では歩くことが少なくなった。
・前頭葉の発育が遅れている。大学生はかつての中学生程度の状況にあるのではないか。
・ギャングエイジ期に群れて遊ぶことの意義をとらえ直したい。
           (文責 佐々木光郎)

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静岡家族問題研究会2006年11月例会

静岡家族問題研究会の11月例会は次の通り行われた:
 テーマ:高齢者を介護する家族
 報告者:鈴木規子氏(静岡英和学院大学)
 日 時:2006年11月27日(月)
     17:00〜21:00
 会 場:ペガサート 静岡産学交流センター
   ◇
 伊勢原市と静岡市における要介護者が公的サービスを受けている介護者に対する調査(伊勢原市110人;静岡市143人)に基づいて、その否定的側面、肯定的側面、規範的側面などについて報告された。その結果、ケアマネージャーによる家族ケアの必要性、家族の介護力の査定とそのケアプランへの反映の必要性、女性介護者と男性介護者の比較など興味深い考察が報告され、介護保険が家族崩壊を促進しているとの指摘がなされ、介護の現場にいる会員も同感の意を表していた。

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静岡家族問題研究会2006年10月例会

静岡家族問題研究会の10月例会は次の通り行われた:
 テーマ:老人と家族
 報告者:渡邉浩子氏(元・家庭裁判所調査官)
 日 時:2006年10月24日(火)
     18:15〜21:00
 会 場:静岡県総合社会福祉会館
   ◇
 実際に老人がお起こした事件を例に取り、家族の人間関係の中での老人の立場と家族の機能についての問題を考察した。

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