静岡家族問題研究会2007年5月例会
静岡家族問題研究会の5月例会は次の通り行われました。4月例会同様に、一般の方々の参加を受け入れて行われました。
テーマ:家族法と高齢者介護
報告者:山脇貞司氏(静岡大学名誉教授)
日 時:2007年5月19日(土)
17:00〜21:00
会 場:B-nest小会議室
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まず研究歴の紹介がありました。1969〜91年にかけて行ったのは親族法の中でも特に扶養(経済的給付)法の研究で、その間、1978〜79年には戦後日本における妻の家族財産法上の地位、婦人の働く権利と保育問題、家事労働に対する法制度的保障も手がけ、1982〜85年には人格に関わるものとして親権(サービス的給付)法研究を面接交渉権を中心に行ったということでした。1992〜2002年にはサービス的給付の一つとして高齢者介護に関する法政策研究が中心となったということでした。
その中でも特に介護と扶養について詳しい意見展開がなされました。介護義務は扶養義務の一内容であるとする「扶養説」と、扶養の基本は金銭給付であり、例外的に同居扶養における世話・面倒見があるが、あくまでも合意を前提とする契約に基づく介護はその範囲の外にあるとする「契約説」とを紹介し、山脇氏自身は「契約説」を取りながらも、フランスにける「自然債務」の観点を視野に入れた検討の余地を示唆されました。
2002年以降は静岡大学における法科大学院の設立に尽力を余儀なくされ、研究は具体的な進展を見なかったとのことでしたが、性愛と法に関する研究を構想してこられたということで、今後のテーマとしてその立脚点を熱く語られました。どういうことかというと、たとえば夫婦の一方が不貞行為を働いた場合、法律上の配偶者からの不貞行為の相手方に対する慰謝料請求等の問題が生じるのが当然のこととされているのが現状であるが、もし子どもの人権や配偶者の生存権が何らかの形で保障されれば、相手の女性が慰謝料を払う必要はなくなるのではないかという問題提起であります。この考え方は、性愛の問題が重要であるという認識の脆弱性は日本社会を分析する場合のキーワードであり、日本の社会をつくりかえて行く上で避けることのできない問題であるという認識に立っています。性愛の問題は誰も表立って触れたがらないけれど、もっと研究して行かなければいけないと山脇氏は主張します。そして人間はもっと生物的に自然な欲求を充足させることを通して美しく輝くはずであると考えているのです。先人がそれを果たせなかった無念の思いを掘り起こし、私達が変えて行かなければ世の中は変わらない。法がその邪魔をせず、少しでも解放して行くことが課題であるということです。
私の場合、美しく輝くために呼吸法を実践している。まさかそれを法律の専門家から、法律の課題として語られるとは夢にも思わず、正直に言っておおいに驚かされました。今後の研究の展開が楽しみです。
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