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2007年7月 3日 (火)

静岡家族問題研究会2007年7月例会

 静岡家族問題研究会の7月例会を下記のように行いました。

 テーマ:保護観察における家族問題
 報告者:景山  進氏(静岡保護観察所) ①
     小林 麻里氏(静岡地区BBS会) ②
     古橋 拓也氏(静岡保護観察所) ③
     大倉 雄平氏(静岡保護観察所) ④
 日 時:2007年7月27日(金曜日)
     19:00-21:00
 会 場:静岡市産学交流センター小会議室4
   ◇
①「更生保護の概要」というテーマで,更生保護制度の全体像を簡単に説明しました。更生保護とは国が民間の人々と連携して,犯罪や非行をした人が地域社会の中で早期に更生できるように助けるとともに,地域の犯罪・非行の予防を図る活動です。地域社会の中で行う活動である以上,その地域を構成する様々な人々の協力が不可欠なのは言うまでもありません。しかしながら,刑事司法の中で目立つ存在である警察・検察・矯正などと比べて,更生保護については現在のところあまり世に知られてはいません。地域社会の中で活動し,地域社会の協力が最も必要な「更生保護」が世の中に認知されていない,矛盾した状況にあるわけです。したがって,このような機会に皆様に少しでも更生保護について理解を深めていただけると大変嬉しく思います。
 罪を犯した人も死刑にならない限りは,いずれ社会に戻ってきます。その人が再犯などをせずに無事に更生することは,社会全体にとってもまた我々一個人にとっても有益なのは当然のことです。そして,そのためには社会が彼ら(彼女ら)を理解し温かく迎え入れることが必要なのです。今後とも更生保護を宜しくお廉いいたします。

② BBS(Big Brothers and Sistrs Movement)は,その名のとおり「兄」や「姉」のような身近な存在として,非行少年(少女)のみならず,不登校・引きこもりといった様々な問題を抱えた少年たちと一緒に遊んだり,悩みの相談にのったりして,少年と「同じ目の高さ」で接し,彼らが健やかに成長することのお手伝いをしている青年ボランティアです。年齢が近く,話しやすいお兄さん・お姉さんというメリットを生かして,「心」の交流を図っています。
 現在,日本BBS連盟を中央組織として,全国に地域単位の地区会,学校単位の学域会などを設け,約4,500人のBBS会員が,保護観察所などの関係機関と連携し,それぞれの地域で少年たちと交流したり,非行のない社会環境づくりのための活動をしています。

③「保護観察官って,誰にでもできるのか?」
 そんな疑問に,私は「NO!」と叫びたい。
 ただし,専門性や独自性を主張するのであれば,それを語り,納得してもらえるだけの説明が必要であろう。その説明内容を考える試みが,今回私の発表につながった。
  自分なりの“保護観察官ならでは”度チェック,最低ラインからスタートしたい。それは,「自らの意思で積極的に犯罪をせず,地域社会で生きていること」だ。シンプル,かつスッキリだが,これでは大多数が該当確実。
 …などと悩みながら,徐々に濃度を凝縮し,無理矢理基準を厳しくした。その結果抽出されたものが,Ⅰ嗅覚&空間把握能力,Ⅱ人物鑑識眼,Ⅲ安定感のある軽率さ,Ⅳ打たれ強さ,Ⅴ人に対する自然な関心&優しさ,Ⅵブレーキ機能,Ⅶ投げ出せる強さ,Ⅷ各種知識の8項目である。これ以外にも,まだまだ要素は見つかるだろう。
 「誰にでもできるのかどうか」は別として,「やりがい」や「意味」のある仕事だ,と私は信じている。そして,地域の皆さんにもそう思っていただけるのであれば,それに勝る喜びはない。そのためにも保護観察官が日々己を磨き,「自分なりの“ならでは度”」を高めることは重要だろう。

④次に『保護観秦って何をやってるんだ?意味あるのか?』という疑問に,参加者が各々の答えを見出すことができたら本望,という思いで,事例発表及び検討を行った。
 さて,保護観察官に付与された権限,使命とは何であろうか。
それは,「地域に散在する各種社会資源を収集し,それらを器用に繋ぎ合わせ,それを当該対象者の改善更生のために必要なものだけを還元,提供していくこと(で明るい社会を築くこと)」であると考える。これこそがいわば「保護観察官の専門性」なのではないか。
 事例検討においては,限られた時間だが,「『更生保護施設』という社会資源は活用できないか」,「少年院送致は時期尚早だろう」,「要は受け皿が整っていないのであるから,一旦本人と家庭を切り離すことで,本人の“居場所”を作る必要がある」,継父と少年の関係改善がキーとなる」等々,多種多様な意見が出された。

 当研究会において,保護観察所の発表はこれが初回。保護観察はあくまでも「官と保護司との協働態勢」が原則であるが,その他に多岐にわたる活動を実施していること(無限の可能性)を理解していただけたのではないか。故に,小職の分かりづらい説明の末,余計に混乱した参加者もいらっしゃるかもしれない。しかし,それも含め,「保護親察とは?」という疑問を提示できただけでも大きな収穫なのである。次回はより生産的,建設的な発表を展開したい。

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