静岡家族問題研究会2009年6月例会
静岡家族問題研究会6月例会を次の通り行いました。
テーマ:保育者の立場から見た中・高校生の乳幼児との「ふれあい体験」
報告者:小川裕子氏(静岡大学教育学部教授)
日 時:2009年6月12日(金)18:30〜21:00
場 所:静岡県総合社会福祉会館1階
<報 告>
はじめに
少子化の進行や児童虐待の増加を背農として、親性の教育の必要性が叫ばれている。従来から保育についての学習を取り扱ってきた家庭科教育においては、2008年3月の学習指導要領改訂で、中学校の技術・家庭科で「保育体験」が必修とされることになった。「保育体験」に関するこれまでの研究としては、中・高校生自身の変化や生徒を幼稚園や保育園へ送り出す立場にある中・高等学校の教諭を対象とした調査研究が大勢を占めていたが、本調査研究では「保育体験」を受け入れる立場にある保育園・幼稚園(園長)とそこで働く保育者を対象として、「ふれあい体験について意見・要望を明らかにするために調査を行うことにした。
なお、本調査では「ふれあい体験」について、中・高校生がボランティア(学校外活動)や職場体験(学校教育、総合的な学習の時間など)で行う、比較的少人数で数日間継続して体験するもの(Aタイプ)と、今後急増すると思われる家庭科の保育学習の一環として行う「保育体験学習(Bタイプ)のニ通りに分けて明らかにした。
調査の方法
調査対象は、静岡市葵区、駿河区に所在する公立私立の全幼稚園、保育園112園である。調査は2008年8,9月に実施し、回収数は76園とそこで働く計670名の保育者(教諭、保育士)である。
調査の結果
1.「ふれあい体験」の受け入れ
Aタイプは、1985年から受け入れが始まり、2008年までに95%の幼稚園・保育園が受け入れを経験している。これに対して、Bタイプは、受け入れが始まったのは1993年以降であり、2008年までに受け入れたことがある園は5割である。
2.「ふれあい体験」に対する意識
管理職も保育者も、AタイプとBタイプで体験の受け入れについての意識に有意な差異があった。Aタイプの場合、管理者、保育者とも「保育が混乱しない軽度なら良い」が8割ほどを占めるが、Bタイプの場合にはこの割合は、管理者で4割、保育者で5割強にすぎず、無回答や「考えたことがない」「保育を重視する」が半数弱を占める。
ただし、Bタイプの体験を受け入れた経験のある管理者の場合は、「積極的に受け入れたい」「保育が混乱しない程度なら良い」が計7割ほどを占めるなど、経験のない園と比較すると受け入れ意識が著しく高い。
3.「ふれあい体験」の活動内容
保育者を対象とした調査結果から、全体としては「ふれあい体験」の活動内容として、幼児と一緒に遊ぶ」「昼食を食べる」「世話をする」が多いが、Bタイプを受け入れたことのある保育者の活動内容としては、「中・高校生がオモチャを持参して遊ぶ」「施設見学」「幼児の観察・記録」が上位に上がるといった差泉がある。
4.中・高等学校への要望
特に、保育者の場合「マナーの指導」についての要望が強い。「事前指導としては、「乳幼児との関わり方」「発達」「幼稚園・保育園」の理解が必要だと考えている。「事後指導」としては、「体験したことを振り返る」ことが重要と考える保育者が多い。[記・報告者]
参加者:大塚佐枝美、小川裕子、栗原恵子、栗原藤男
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