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2009年7月12日 (日)

静岡家族問題研究会2009年9月例会

 静岡家族問題研究会の9月例会が次の通り開かれました。

 テーマ:親とくらせない里子は自分を映す‥‥鏡
 報告者:渡辺 孝氏(元 静岡県里親会会長)
 日 時:2009年9月25日(金)
 場 所:静岡県総合社会福祉会館
  ◇
報 告
1.これまでの里親経験
 里親登録をして、31年目である。里親になったキッカケは、自分の子ども(男の子二人)が、「女の兄弟が欲しい」と言ったこと。登校拒否の女子を我が子として育てた。それ以来、長期(依託)では計7名を育てた。その他にショートルフランなどを含めると、計80人ほどを育てたことになる。一番大変だったことは、一つは高校入拭で、私立に行かなくて済むように塾へ通わせたこと、そして、運転免許の取得である(30万円必要だが、お願いして赤い羽根募金から10万円補助してもらった)。

2.静岡県内の依託率(長期のみ)
・目標は15%であるが、現在、静岡市では高く、16.7%。浜松市は7.2%、県平均値は76名、13.3%である。施設入所は、700名定員で670名入所の状態である。米国では8割以上が里子であると言うが、我が国では、「親権」のために里子は難しい。施設には預かって欲しいが、里子には出したくないという親。盆正月(自分の都合の良いとき)、18歳以上(手が掛からなくなってから)になると一緒に暮らすようになる、自分勝手な親。
・費用的には、里子は8万円/1人・1月。施設では5,60万円/1人・1月。生活の条件は、施設より里親(家庭生活)の方が良いと思われるが。

 3,最近の動向
・「ファミリーホーム」という6名規模で、夫婦が職員として働く形。仕事。住宅の改築費用もある。2009年4月から始まる。
・同時に、里親養育は、これまで何人預かっても良かったのが、4人までとなった。渡辺さんによれば、「ニ人」が良いとのこと。
・最近は「個人情報保護の点から、里子に関する情報が入りにくくなった。

 4.質疑など
・里親になる条件は?:家がある。単身でも良い。成人で65歳まで。児童相談所に申告して、県の里親審議委員会に掛ける。初めての場合、6日間の講習会を受けると「里親認定書」をもらう。
・里親としての縁を切る時は?:里子が18歳に達した時。その後は同居人。途中で打ち切るときは、児童相談所へ申請
・補導依託(親が引き受けない子)で、里親登録をしている人が受けてくれないか?:実の子どもが育った後の夫婦のみの高齢者の世帯は、子どもを引き受けると、健康的な生活が送れるだろうに。
・長期里親で困ること:万引き(里親が小遣いをあげないことが背景にある)、女子の妊娠。

参加者:山本麻衣子、冨樫憲央、永井鉄朗、久岡雄介(静岡家裁)、大石明日香、岡崎千佳、原田恵子(県警少年サポートセンター)、栗原惠子、佐野道子、栗田よしみ(カウンセラー)、杉山森保(建築事務所)、栗原藤男(防犯アドバイザー)、林幸子(保護司)、木村太郎(生活支援センター)、小野寺由香、渡邉保博、外山知徳、小川裕子(静岡大学)

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静岡家族問題研究会2009年7月例会

 静岡家族問題研究会の7月例会が次の通り行われました。

 テーマ:精神疾患が絡む近年のケースから
 報告者:外山知徳(静岡大学名誉教授)
 日 時:2009年7月10日(金)18:30〜21:00
 場 所:静岡県社会福祉会館2階(ボランティアビューロー)

報 告
 最近、不況を受けて養育費減額の申し立てが目立つ家事調停の状況であるが、他方、精神疾患が絡む調停(その多くは夫婦関係調整である)も目立つ。この頃では、身近にもうつを抱える人が少なくない。報告者の身の回りにも、うつを理由に離婚を余儀なくされた40代の女性;転職を機にうつを発症してしまった50代の男性;家業を手伝いながらうつのため外出もままならずに医師の治療も受けることさえできず、人知れず悩んでいる50代の主婦;学生時代にうつになりながら、なんとか就職はできたものの、結局休職せざるをえなくなった20代の男性;etc.といった具合である。
 こうした状況を考えれば、調停にもそうした問題を抱えたケースが増えてくるのも無理からぬことではあるが、しかし、当事者の精神疾患が調停を困難にしていることを考えると、単なる傾向として受け流すわけにもいかないように思う。しかもその内容もうつのみならず、統合失調症や、ショック障害、あるいはアスペルガー症候群など、なかなかバラエティーにも富んでいる。
 こういう問題を抱えた当事者の調停でもっとも苦慮することは、当事者の判断能力をどこまで認められるのかという点である。通院加療を受けていない場合、本人にその必要性の自覚がないと特に困る。
なかには最終的な決断が自分ではできない当事者も見受けられる。理屈では離婚やむなしということは分かっているようであるが、いざそういう方向で調停を進めようとすると、その決意がとたんにぐらついて、話合いが堂々巡りになる。当然もう一方の当事者はしびれを切らして不成立を求め、訴訟へと走ろうとするが、それだけは避けたいという思いも疾患を抱えた当事者にはあるとなると、どうすれば良いのか。その場合、離婚に向けて調停委員が誘導することは、やはり許されないのではないか。
 加療を受け、薬によってかなりコントロールされていると思われる当事者ももちろんいる。しかしその場合、薬によってコントロールされた当事者の意向というものは、果たして信用できるのかどうかの判断が調停委員にはつかない。下手をすると、後に完治したときになって「無理やり離婚させられた」などと言い出さないとも限らない。代理人がついていれば、その点、家裁は責任を回避できるが、果たしてそれで良いのか。代理人がついていなければ不成立とするしかないのか。しかしその後、当事者はどうなるのか。
 調停委員としては、極力、治療先行を勧めたり、必要に応じて他機関につなぐよう心がけているが、調停の限界を痛感するところである。実際、最後の頼みは当事者の家族による援助を拠り所とする場合が少なくないが、それも期待できないケースはお手上げである。

討 論
・「自己中」が増えて話合いが成立ちにくい一般的な状況。
・調停に安易に依存し、自ら解決しようとする意志の欠如。
・誰が支えるのか、行政のあり方、支援サービスの欠如。(子どもを対象とした支援は報告者の勘違いで、地域包括支援センターではなく、地区社協でした。訂正します。)
・「調停」が当事者に及ぼすダメージ。
などについて話し合われた。

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2009年7月 2日 (木)

静岡家族問題研究会2009年6月例会

 静岡家族問題研究会6月例会を次の通り行いました。

 テーマ:保育者の立場から見た中・高校生の乳幼児との「ふれあい体験」
 報告者:小川裕子氏(静岡大学教育学部教授)
 日 時:2009年6月12日(金)18:30〜21:00
 場 所:静岡県総合社会福祉会館1階

<報 告>
はじめに
 少子化の進行や児童虐待の増加を背農として、親性の教育の必要性が叫ばれている。従来から保育についての学習を取り扱ってきた家庭科教育においては、2008年3月の学習指導要領改訂で、中学校の技術・家庭科で「保育体験」が必修とされることになった。「保育体験」に関するこれまでの研究としては、中・高校生自身の変化や生徒を幼稚園や保育園へ送り出す立場にある中・高等学校の教諭を対象とした調査研究が大勢を占めていたが、本調査研究では「保育体験」を受け入れる立場にある保育園・幼稚園(園長)とそこで働く保育者を対象として、「ふれあい体験について意見・要望を明らかにするために調査を行うことにした。
 なお、本調査では「ふれあい体験」について、中・高校生がボランティア(学校外活動)や職場体験(学校教育、総合的な学習の時間など)で行う、比較的少人数で数日間継続して体験するもの(Aタイプ)と、今後急増すると思われる家庭科の保育学習の一環として行う「保育体験学習(Bタイプ)のニ通りに分けて明らかにした。

調査の方法
 調査対象は、静岡市葵区、駿河区に所在する公立私立の全幼稚園、保育園112園である。調査は2008年8,9月に実施し、回収数は76園とそこで働く計670名の保育者(教諭、保育士)である。

調査の結果
1.「ふれあい体験」の受け入れ
 Aタイプは、1985年から受け入れが始まり、2008年までに95%の幼稚園・保育園が受け入れを経験している。これに対して、Bタイプは、受け入れが始まったのは1993年以降であり、2008年までに受け入れたことがある園は5割である。
2.「ふれあい体験」に対する意識
 管理職も保育者も、AタイプとBタイプで体験の受け入れについての意識に有意な差異があった。Aタイプの場合、管理者、保育者とも「保育が混乱しない軽度なら良い」が8割ほどを占めるが、Bタイプの場合にはこの割合は、管理者で4割、保育者で5割強にすぎず、無回答や「考えたことがない」「保育を重視する」が半数弱を占める。
 ただし、Bタイプの体験を受け入れた経験のある管理者の場合は、「積極的に受け入れたい」「保育が混乱しない程度なら良い」が計7割ほどを占めるなど、経験のない園と比較すると受け入れ意識が著しく高い。
3.「ふれあい体験」の活動内容
 保育者を対象とした調査結果から、全体としては「ふれあい体験」の活動内容として、幼児と一緒に遊ぶ」「昼食を食べる」「世話をする」が多いが、Bタイプを受け入れたことのある保育者の活動内容としては、「中・高校生がオモチャを持参して遊ぶ」「施設見学」「幼児の観察・記録」が上位に上がるといった差泉がある。
4.中・高等学校への要望
 特に、保育者の場合「マナーの指導」についての要望が強い。「事前指導としては、「乳幼児との関わり方」「発達」「幼稚園・保育園」の理解が必要だと考えている。「事後指導」としては、「体験したことを振り返る」ことが重要と考える保育者が多い。[記・報告者]

参加者:大塚佐枝美、小川裕子、栗原恵子、栗原藤男

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